【宮古島名物】オトーリという泡盛の飲み方

菊之露80th記念オトーリグラス
菊之露80th記念オトーリグラス

泡盛好き・沖縄特に宮古島好きなら一度は耳にするであろうオトーリ(おとーり)という泡盛の飲み方。

 

僕自身はまだその洗礼を受けていませんが、宮古島へ旅行したときに体験された方も多いのではないでしょうか?夜のトライアスロンとも言われ、オトーリがきっかけで泡盛が苦手になったという話も聞くので、それも僕が避けている理由です。

 

体験したことがないので本で得た情報が中心になりますが、宮古島名物オトーリについてまとめました。

 

記事の内容

  • オトーリとは?
  • オトーリにまつわる都市伝説
  • オトーリの専門家オトーリ回士とは?
  • オトーリ用の泡盛と専用のグラスがある!? 

オトーリとは?

宮古島独特の泡盛の飲み方です。書籍によってその飲み方もまちまちなので、もっとも信頼できそうな「おとーり 宮古の飲酒法」に紹介されている【おとーりの標準タイプ】というものを記載しておきます。

 

親がグラスに酒を注ぎ、口上を述べた後、グラスの酒を飲み干す。この後、親はグラスに酒を注いで、そのグラスを一人一人に順序よく差し上げる。会場(車座)にいる全員が一通り終わったら、親は最後に終わった方から酒を注いで貰う。親はそのグラスを持って、協力に感謝を申し上げるとともに、「〇〇さんにつなぎます」と言ってグラスの酒を飲み干す。以下、宴会が続く限り親を変えて延々と続ける。 

 

飲み干すときは一気に飲み干すようです。僕らの学生時代なら一気飲みはまだ馴染みがありましたが(肯定しているわけではありません)、今はパワハラ、アルハラと言われたら即アウトでしょう。時代の流れにそぐわない飲み方なのかもしれませんね。

 

ちなみにオトーリは神様にささげたお酒(泡盛)を少しでも多くの人で分かち合うために回し飲みにしたことがその起源といわれています。 

 

自立しないおちょこ、底に穴が開いていて手で塞いでおかないとお酒が漏れてしまうおちょこの話は聞いたことがあるので、宮古島以外にも似て非なる飲み方はあるんじゃないでしょうか。

 

余談ですが「沖縄の歴史と旅」に「同じ沖縄でもハブのいる隣の石垣島にはオトーリの習慣はない。」と書かれていて、オトーリで飲みすぎて酔いつぶれてしまってもハブを気にしないで済む宮古島ならではの泡盛の飲み方なのかもしれないなと思いました。


参考書籍

おとーり 宮古島の飲酒法

ぷからすゆうの会 2005年3月

沖縄の歴史と旅

陳 舜臣 PHP研究所 2002年4月


オトーリにまつわる都市伝説

宮古島には「中学生のオトーリは止めましょう」という立て看板がある。宮古の人は2人集まるとオトーリを回す。

 

島なので都市伝説というよりは、逸話という表現の方が適切かもしれませんが。そして、オトーリにまつわる有名な逸話といえばこれ。   

 

オトーリがきっかけの過剰飲酒によるトラブルや未成年の飲酒による交通事故に端を発して、上野村議会でオトーリの廃止決議をしました。

 

そしてその夜に良かった良かったと決議を祝って・・・

オトーリを回したという話。

ありえそうだけど(苦笑)

 

本当のところはどうなんだろうと前から気になっていましたが、「沖縄島々旅日和 宮古・八重山編」に真実が書かれていました。

 

・・・その日にオトーリ回したなんて、言語道断、そんなことあるわけないだろ!」 by当時の上野村村長・芳山弘志氏

 

やっぱり話が盛られていました(笑)

 

これが事実なら沖縄のおおらかさを表現するには、これ以上ないエピソードだったんですけどね。

 

他村の人たちが面白おかしくひやかして、そういう噂が広がったんだよ」ということらしい。残念ですが事実とは違ったみたい。

 

昔は1回まわすスタイルだったものが、どんどん回数が増えてしまって夜のトライアスロンといわれるような現在のスタイルになったみたいですね。

 

ちなみに中学生のオトーリは止めましょうという看板と、2人でもオトーリを回すという話はどうやら本当みたいです。

沖縄島々旅日和 宮古・八重山編

コーラルウェイ編集部 新潮社 2003年4月


宮古島オトーリ回士

平成12年から宮古島安全飲酒推進協議会(任意団体)が宮古島オトーリ回士認定証を発行しています。これまでに認定された方は国県市町村の職員、宮古島トライアスロンの関係者、宮古島出身の著名人の方など。

 

宮古島にはオトーリ憲法やオトーリ前口上大会もあるようです。


オトーリ専用!?の泡盛とグラス

オトーリで飲む泡盛の濃度は一般的に8~10度で、市販されている泡盛を水で割っているようです。

 

メーカーさんによるとオトーリ専用というわけではないそうですが、オトーリに適したアルコール度数10度にはじめから割ってある多良川さんの「のみごろひやさっさ」。

 

宮古島のメーカーじゃなければ何も思わないんですが、オトーリ用ですよね?(^^)

のみごろひやさっさ 10度

多良川

このグラスはオトーリ用でしょうね。

一般的な泡盛のグラスよりもひとまわり小さく、すっぽりと中に入ります。

グラスに注ぐ泡盛の量は飲む人の意向を確認してから注ぐようです。このくらいと申告しやすいようにグラスには4本のラインが引かれています。

 

菊之露のグラス(右)では、

  • ぷーきて
  • からっと
  • らっきー
  • すっきり

の4本の線。パーントゥのグラス(左)には

  • やまかさ
  • ずみ
  • なから
  • いぴっちゃ

沢山飲みたい人はやまかさ、少なめにして欲しい人はいぴっちゃと申告するための線ですね。

相方が宮古島土産に買ったパーントゥのオトーリグラスを家で使っているのを横目に何食わぬ顔をしてましたが、実はかなり羨ましいんですよね(笑)

  

ちなみにパーントゥというのは宮古島の泥の神様です。2018年に秋田県の男鹿(おが)のナマハゲとともにユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産登録が決定されて話題になりましたよね。さらに詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!

パーントゥの御利益 千代泉酒造所【宮古島】

いつかは体験しなければと思いながら体験しないままに今日まで来ました。なぜか菊之露のオトーリグラスは7つ持っています。

 

知れば知るほどに恐くなるオトーリ。だから恐いもの見たさよりも恐いが勝っていますが、そろそろオトーリの洗礼を受けることになりそうな予感が・・・。


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