美しき古里の今帰仁酒造

記事の内容

  • 美しき古里@第5回島酒リモフェス
  • 工場見学レポート
  • 今帰仁酒造の主な泡盛

美しき古里@第5回島酒リモフェス

僭越ですが第5回島酒リモフェスのテイスティングコメンテーターとして美しき古里を担当させていただきました。テイスティングのテーマは泡盛の温度。温度というのはアルコール分の%ではなく℃のことです、念のため。

 

きっかけとなったのはKuraMasterというフランス人のための日本酒コンテストです。2021年から焼酎・泡盛部門がスタートし栄えある最高位のプラチナ賞を受賞されたのが今帰仁酒造さんの美しき古里なのです。KuraMasterについて調べてみると14℃の状態でワイングラスで審査するようです。明確に書かれていなかったのですが恐らくストレートでしょう。

 

ここで着目したのが14℃という温度。泡盛の飲み方はいろいろ試してきましたが温度を意識したことがなかったのと、冬季のテイスティング勉強会では冷えた泡盛は香りが立ちにくく難しかった印象があるので14℃というのはどうなんだろう?と疑問に思ったからです。


温度を変えて飲み比べ

温度を意識して飲んでみると楽しくなってしまって最終的に5段階の温度で飲み比べました。

  • 3.5℃|オンザロック
  • 6℃|冷蔵庫から取り出してすぐ
  • 14℃|KuraMaster審査基準
  • 23.5℃|常温(室温)
  • 33℃|人肌燗

まずは14℃に冷やすべくグラスに注いでラップをした状態で冷蔵庫で冷やしました。取り出して計ってみると6℃。思っていたよりも冷たくなっています。しばらく室内で放置して14℃にすることができました。はやる気持ちを抑えてようやく口に含みます。

 

これが絶妙な温度でとても美味しいのです。参考までにKuraMaster2021審査委員長のコメントを紹介しますがとても納得できる評価だと思いました。「爽やかな白い花の香りに、海のミネラル香がほどよく漂う楽しい香り。この複雑さと丸さ、そして熟成を感じさせる甘味とコクが心地よいです。」

 

5段階の比較による感想をまとめました。

  • 3.5℃|香りが立ちにくくお酒が縮こまっている印象。キレはいい。氷が融ける過程で味がまろやかに変化する美味しさは捨てがたい。
  • 6℃|綿菓子やラムネのような甘味を感じるが苦味が強い。温度が上昇していく過程の味わいの変化が面白い。
  • 14℃|甘味苦味をしっかり感じるきりっとした印象。泡盛の表情がよく見える絶妙な温度。違和感なく身体にすぅーと入ってくる。この飲み方は飲まれる(笑)
  • 23.5℃|白い花、しょうが、お味噌などのニュアンスの香りを感じる。香りは掴みやすい。味わいは甘味は強いがアルコール感がある。言い換えると飲みごたえがある。
  • 33℃|アタックは柔らかい。苦味が強く辛口でどっしりとした印象。温度が上がるとアルコール感は増す。飲んだ後で常温を飲むとほっとするくらいに重たい。だめというわけではなく味噌おでんやどて焼きのようなこってり濃厚なものに合いそう。 
3.5℃|オンザロックと6℃|冷蔵庫から取り出してすぐ
3.5℃|オンザロックと6℃|冷蔵庫から取り出してすぐ

KuraMasterというのはフランス人のためのコンテストなのでできるだけ思考をフランスに向けようと、フランス料理と言えばで思いついたエスカルゴバターとチーズをあわせてみました。エスカルゴバターと水割り(1:1なのでアルコール分15%)をあわせてみたところエスカルゴバターの味わいに負けてしまって物足りなく感じたので今回はストレートのみにしました。 

 

ちなみに美しき古里の水割り(氷なしの常温)はほのかな甘みが心地よく柔らかな印象です。日本人の感覚では食中酒にぴったりなんですがエスカルゴバターのパンチ力に負けてしまって釣り合いませんでした。

23.5℃|常温(室温)
23.5℃|常温(室温)

泡盛のお湯割りはイメージがわかないかもしれませんが沖縄でも意外に飲まれています。沖縄県外の泡盛ファンは寒い時期は飲む人は結構いるんじゃないでしょうか。今帰仁酒造さんの動画にあったようにお湯割りも考えましたが水割り同様の理由で今回はお湯割りではなくそのまま温めることにしました。

 

いわゆる熱燗ですが熱燗といっても温度は30度くらいから55度くらいまで幅が広いです。何度の熱燗にしようかなと思ったときに思いついたのは常温(室温)との温度差です。僕が14℃をとても美味しいと感じたのは室温とのー7℃の差が理由かもしれないという仮説を立てて、室温+7℃に温めてみました。温度で言うと33℃くらい熱燗の分類で言うと人肌燗35℃になります。

酒たんぽで加熱中
酒たんぽで加熱中
33℃|人肌燗
33℃|人肌燗

エスカルゴバター、コンテチーズと

このエスカルゴバターは内臓は取り除かれていますがなかなか野性味あふれる味わい。サザエなら肝込みの味わいに近いと思います。パセリとニンニクのみじん切りを練りこんだエスカルゴバターは美味しいのですが濃厚なので数を食べると水割りでは圧倒されてしまいます。その点、14℃のストレートは口の中がさっぱりするので食べ飽きることなく美味しくいただくことができました。

 

常温のストレートとエスカルゴバターを塗ったトーストの組合せを試してみたのですが、食パンなのが関係していると思いますが常温では重く感じました。やっぱりバゲットがしっくりきました。

コンテチーズはマイルドで食べやすい6ヶ月熟成を選んだのですが食べなれていないのでとっつきにくい。

特に外側の固い部分は風味が濃いです。例えるなら子供の頃に豚小屋で嗅いだ豚の飼料の匂い。幼稚園の頃だったと記憶していますが祖父の実家で豚を飼っていて巨大な豚の迫力と匂いに恐怖を感じたことが印象に残っています。ようはコンテチーズも水割りには荷が重いということです。

この二つのでは何とも言えないのでいつか本格的なフレンチと美しき古里をはじめいろいろな泡盛をあわせてみたいですね。

ちなみにエスカルゴを入手するのは苦労しました。通販ならありますが量も多いし送料もかかります。近所で入手しようと置いてそうなお店に10軒くらい電話をしてやっと見つけることができました。クリスマスの時期しか扱ってないんですよというお店もありました。エスカルゴはクリスマスのご馳走なんでしょうか?

 

エスカルゴを探している時に思ったのは泡盛も同じだろうということです。飲んでみたいと思っても入手しにくいとたぶんたどり着けない。特に海外に泡盛を広げるためには入手しやすさがポイントになると思いました。

 

最後にKuraMasterの審査基準をご紹介します。

  • 『香りに対して、複雑で多彩なものを体験できること』
  • 『原料の香りや味わいがあり、それを上手く生かしているかどうか』
  • 『味も単調にならず、深みやコクもあり、キラリと光る作り手の個性がわかるようなところが発見できるか』

KuraMasterで評価の高かった美しき古里は、14℃のストレートで飲むのも美味しい飲み方の1つなのは間違いないと感じました。美しき古里を飲んだことがある人もない人もぜひ14℃に調整して味わってみてください!

 

今回のテイスティングで泡盛の温度に着目したことで新しい風が吹いたような感じがします。僕の中で泡盛の楽しみ方が1つ増えました。このような機会を作っていただいた島酒リモフェスの実行委員のみなさんと今帰仁酒造様に感謝しております。ありがとうございました。


今帰仁酒造見学レポート

沖縄美ら海水族館に向かった家族と別れ、タクシーでひとり目指すは・・・今帰仁酒造さんです。

 

集団行動の輪を乱す我が子を見かねたのか「誰に似たのか、かなりの凝り性だな」と父がぽつり。「芸の為なら~家族も泣かす~♪」さあ気を取り直していってみましょう(苦笑)

 

酒造所見学はもう18箇所目、さすがに三角棚やもろみタンクは見慣れてきました。

縦型の蒸留機が並んでいます。この2つで蒸留したものをブレンドしているそうです。同じ縦型でも横の突起とかが味わいに影響を与えているのかもしれません。

樫樽は新樽やシェリー樽を使っているそうです。どんな樽で貯蔵するのかによって味わいは大きく変わりそうですね。

こちらはステンレスタンク。24基ある巨大なステンレスタンクは圧巻で、どう頑張っても1枚の画像には収まりません。


何を造っているんでしょうか??

クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!風に←古い

少し近づきます。

正解は美しき古里(うるわしきふるさと)の紙パックでした。瓶詰めの様子は何度か見たことがありましたが紙パックは初めてです。紙パックって割れる心配がないから持ち運びに便利だし、捨てるのも楽なので自宅用なら十分ですよね。

最後のお楽しみは工場の隣の事務室で販売している泡盛。今回は10年古酒のような大物狙いだったので、10年古酒が品切れのため何も買わずに沖縄美ら海水族館に向かいました(今回見学した酒造所で泡盛を買わなかったのはここだけです)。

 

大阪に戻ってから沖縄美ら海水族館開館10周年記念グッズとして「黒潮のしずく」という沖縄北部地域11酒造所の銘柄をブレンドした泡盛が水族館の中にある「ブルーマンタ」で限定販売されていたことを知りました。もちろん今帰仁酒造の泡盛も入っています。あ~知ってたら買ってたな・・・。気が付かなかったのは集団行動の輪を乱した罰なのかもしれません(苦笑)

 

今帰仁酒造様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2013年11月11日

 

【追記】お邪魔した泡盛の酒造所は18箇所になり、慣れてきているのでさらっと見せていただくような雰囲気が記事にも表れていますね。慣れだけじゃなくて相変わらず予定を詰め込んでいるのでじっくり聞く時間がないのと、メインはあくまでも家族旅行なので、ずるずるいかないようにと必死です(苦笑)。「沖縄に行く、イコール泡盛の酒造所を見学する」がエスカレートしてしまって、今帰仁酒造さんのように単独行動で酒造所に行ってみたりと家族旅行なのか怪しくなってしまっています。それにしても沖縄にいる時の方が普段より忙しいです。


今帰仁酒造の主な泡盛

  • 美しき古里
  • まるだい
  • 千年の響
  • 今帰仁城 etc
ホワイトタイガー7年古酒@今帰仁酒造
ホワイトタイガー7年古酒@今帰仁酒造

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