イタミ六十という珍味と泡盛を味わうという最高の贅沢

イタミ六十
イタミ六十

イタミ六十(ロクジュウ)という豆腐料理をご存知でしょうか?泡盛の肴に最適と、かの尚順男爵も仰っている珍味です。

 

そう聞けばどうしても食べたくなるのが泡盛バカの性。

 

残念なことにイタミ六十を作ることのできる人がいなくなっているようですが、イタミ六十に限りなく近いと思われる豆腐料理と沖縄で出逢うことができました。

 

記事の内容

  • イタミ六十とは
  • イタミ六十の作り方は?
  • イタミ六十を食べてみた!
  • オススメの泡盛は?

さあ見ていきましょう!


イタミ六十とは?

イタミ六十は豆腐を薄く切って塩をまぶし、傷む寸前まで干して、さっと焼くか、豚で脂揚げたものです。ちなみに六十は京都の六条豆腐がその由来のようです。

 

尚順男爵は珍味として楽しみ、庶民は豆腐の保存方法として味わったイタミ六十。また豆腐や油がぜいたく品だった戦前には祝いの料理としての一面もあったようです。

 

参考にした書籍はこちらの3冊です。調べた書籍によって名称が異なりましたがほぼ同じものを指していると思われるので、本記事では便宜上、イタミ六十で統一しました。

  • 松山御殿物語|イタミ六十
  • 大琉球料理帖|ロクジュウ
  • おばあさんが伝える味|ルクジュー

参考書籍|松山御殿物語|鷺泉随筆(一)「豆腐の礼讃」

まだ一つ珍品がある。それは前記の「イタミ豆腐」を以て作る琉球料理の「チャンプル」だが、料理には普通のチャンプルを作るのとは何等変わりはないが、只少し炒り過ぎると思う位がよい。此豆腐の実際理想的に熟した場合なら、これ又中山第一、否世界第一と云ってはずかしからぬ珍味である。

もしイタミ六十を理想的に熟成されることができれば、それは世界一といっても間違いのない珍味と紹介されています。

 

豆腐の礼讃の中でもほんの9行の中にこれだけの表記が出ていました。少し正確性に欠けるかもしれませんが、同じものを指していると理解して本記事を整理しています。

  • イタミ六十(イタミ豆腐)
  • 六十揚(干六十揚・揚六十)

参考書籍|大琉球料理帖

 

傷みはじめた豆腐を塩水で洗って、朝、芋を炊くときに鍋の端に入れて蒸し、それを焼いたり、揚げたりして食べました。民にとっての「六十」は豆腐の保存方法のひとつだったのです。

揚げ・焼きロクジュウ@大琉球料理帖
揚げ・焼きロクジュウ@大琉球料理帖

参考書籍|おばあさんが伝える味

作り方は豆腐を薄く切って陰干しにする。四、五日経つと小さな虫が出て豆腐はチーズのように固くなります。


イタミ六十ができるまで。

那覇市の首里にある、みるく世果報さんにお願いしてイタミ豆腐を再現したものを作っていただきました。

 

発酵させるのに時間がかかるのでお邪魔する日から逆算して準備してもらいました。豆腐は豆健(ななほし食堂)さんの濃厚な島豆腐です。豆腐の変化をとくとご覧ください。

発酵初日の豆腐
発酵初日の豆腐

これは現場の与儀さんのレポートです。

 

【本日のルクジュー3日目】初日と比較すると、明らかに乾燥して小さくなってきているのが分かるかと思います^ ^

 

表面も変色が目立つようになり、テンペにも似た仄かな大豆の発酵臭がしてきましたよ♪

発酵3日目の豆腐
発酵3日目の豆腐

お店にお邪魔してついに対面を果たした発酵5日目の豆腐です。 

発酵5日目の豆腐
発酵5日目の豆腐

初日と比べると色や質感が別人です。画像を並べてみるとかなり変化しているのがわかりますよね。

 

香りは比較できませんが首里で丸5日間熟成された豆腐からはとっても個性的でパンチのある香りがしました。油揚げのような匂いというのは良く言い過ぎかもしれませんが、とにかく見た目以上に匂いは強いです。


イタミ六十を食べてみた!

松山御殿物語ではイタミ六十を使ったチャンプルーが紹介されています。さすがにちょっと怖いのでこの2つの方法で泡盛と一緒に頂きました。

  • 揚げたイタミ六十
  • 焼いたイタミ六十

まずは揚げたイタミ六十をいただきます!油揚げのようなチーズのようなお味。

揚げたイタミ六十
揚げたイタミ六十

お次は焼きで。揚げよりも香りは強く、納豆の様な香りです。外側はカリカリっで中はふわぁという食感も楽しめました。

焼いたイタミ六十
焼いたイタミ六十

一緒に食べたメンバーの感想を聞くと焼いたイタミ六十の方が人気でした。尚順男爵も愛したイタミ六十は泡盛との相性は文句なしに良かったです。


イタミ六十初体験。

みるく世果報さんでイタミ六十を再現したものをはじめて口にした時は感動を覚えました。

 

このときは揚げたものをいただきました。納豆やイベリコ豚のニュアンスを感じました。そして何より泡盛が進みました(^^)

 

 

揚げたイタミ六十
揚げたイタミ六十

↓この画像のような揚げないままの状態でチャンプルにしたものを、いつか古酒と一緒に味わってみたいものです。

揚げる前の醗酵した豆腐
揚げる前の醗酵した豆腐

イタミ六十と楽しみたい泡盛

幻の豆腐料理、イタミ六十と一緒に味わいたい泡盛は瑞穂酒造、瑞泉酒造の泡盛です。

 

みるく世果報さんのことを教えてもらったのが瑞穂酒造の〇さん、焼いたイタミ六十を一緒に味わったのが瑞泉酒造の〇さんだったことが関係していないといえば嘘になります。

 

でも首里で作られた豆腐を首里の菌で熟成させて作ったイタミ六十には首里で醸された泡盛が似合います。

 

揚げたイタミ六十と瑞泉 SKY
揚げたイタミ六十と瑞泉 SKY

イタミ六十とは作り方が異なる、復刻ルクジューをみるく世果報さんで味わうことができます。