減圧蒸留とは?方法・味わいの特徴は?

泡盛の蒸留機@八重泉酒造
泡盛の蒸留機@八重泉酒造

泡盛や焼酎を飲んでいて減圧減圧タイプという言葉を耳にしたことはありませんか?

 

これは蒸留方法の1つで一般的な常圧(じょうあつ)蒸留に対して、減圧(げんあつ)蒸留のことを指します。

 

と聞いただけで物理が苦手な僕は深入りするのは止めようと思いましたが、泡盛をもっと楽しみたいと思ったときに避けて通れないのが蒸留方法でした。

 

こういった疑問に答えます。


減圧蒸留とは?特徴・味わいは?

泡盛をはじめ蒸留酒は、水より低温で沸騰するアルコールの性質をうまく利用して、もろみからアルコールを取り出します。

 

蒸留の方式は大きく2つあります。 

  • 単式蒸留機を使う蒸留方式です。
  • 連続式蒸留機を使う方式で、原料を何度も蒸留するので純度が高いアルコールを造ることができます。 

何度も蒸留することでアルコール臭の他は無味無臭となり原料の特徴が失われてしまうので、泡盛を名乗るには単式蒸留機で蒸留するという決まりになっています。

 

※酒税法では泡盛の蒸留回数の規定はありません。尚のように3回蒸留することも可能です。

 

泡盛の場合は必ず単式蒸留機で蒸留しますが、単式蒸留機といってもさらに2つの蒸留方法があります。

  • 常圧蒸留(じょうあつ)
  • 減圧蒸留(げんあつ)

減圧蒸留というのは蒸留釜内部の圧力を大気圧の10分の1程度の減圧状態にすることによって、40~50度の低い温度でもろみを蒸留することができる方法です。

 

低温で蒸留することができるため、もろみを加熱することで発生する焦げた臭いや刺激のある臭いがつきにくく、クセが少なくフルーティな味わいの泡盛になります。

 

言い換えると、減圧蒸留は常圧蒸留に比べて原料の特性があまり出ないといえるので、泡盛の蒸留方法は常圧蒸留が主流で、減圧蒸留の泡盛はまだ少数派です。

 

こちらは八重泉酒造さんの蒸留機(縦型)です。常圧蒸留と減圧蒸留の切り替えができるタイプです。おそらく切り替えができるタイプが主流なんじゃないでしょうか。

蒸留機@八重泉酒造
蒸留機@八重泉酒造

ほとんど泡盛を飲んだことがないという方でも「残波白」・比嘉酒造を飲んだことがある方は多いのではないでしょうか?

 

残波白(25度)は減圧蒸留でその特徴がよく表れている泡盛だと思いますので、減圧蒸留特有の味わいは残波白でイメージしてもらえたら。

残波白25度・比嘉酒造
残波白25度・比嘉酒造

【見学レポート】無駄のないレイアウトで魅せる 残波の比嘉酒造

泡盛以外の焼酎でも減圧蒸留で造られたものがあります。麦焼酎のいいちこは2つの蒸留法のブレンドのようです。

減圧蒸留のことがよくわかる。いいちこの新聞広告
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減圧蒸留のこの説明はシンプルでわかりやすいですね。


昔ながらの直釜式蒸留とは?

泡盛の蒸留方法には常圧蒸留と減圧蒸留がありますが、加熱の仕方でさらに分けることが出来ます。

 

まずは、もろみが入った釜を直火で加熱する直釜式蒸留

 

他には水蒸気で加熱する方法で、もろみの中に入れたコイル等に蒸気を送り間接的にもろみを熱する間接加熱方式と、蒸気を直接もろみに吹き込む直接加熱方式があります。

 

直釜式蒸留はもろみを攪拌しながら蒸留しなければならず、手間暇がかかるため現在の主流は水蒸気による加熱ですが、直釜式蒸留は昔ながらの風味豊かな泡盛を造ることができる蒸留方法です。

直釜式蒸留機@八重泉酒造
直釜式蒸留機@八重泉酒造

A重油を燃料にした直釜式蒸留器の炎です。釜の底全体を加熱しているイメージがあるかもしれませんが、加熱するのは底の一部分だけだそうです。

 

燃料を霧状に噴射してそれに火をつけているので、釜の底の一部をずっとバーナーで加熱しているとイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

直釜式蒸留器@八重泉酒造
直釜式蒸留器@八重泉酒造

石垣島の暑さでは特に夏場の蒸留作業は過酷でしょうね。少しでも泡盛造りの現場の情報に触れることで、大変さがわかってより美味しくいただくことができます。

 

直釜式蒸留で造られた泡盛には「八重泉」・八重泉酒造や「於茂登(おもと)」・高嶺酒造所をはじめ八重山の泡盛があります。

 

その中でも個人的に代表格と思っているのが「直火泡盛 請福」です。なんせ銘柄にまで直火と直釜式蒸留であることを記していますからね。

 

工場見学で請福酒造さんにお邪魔したときは赤々と燃える蒸留機の直火をしっかりカメラに収めました(^^)v

直火式蒸留機@請福酒造
直火式蒸留機@請福酒造

ちなみに泡盛の酒造所で減圧蒸留を初めて取り入れたのが請福酒造です。1983年に請福マリンボトルが誕生しました。

【見学レポート】直火泡盛たる所以 請福酒造


コラム|もろみこがしちゃった

直釜式蒸留機は細心の注意を払っていても、もろみを焦がしてしまうこともあります。

 

でもそれが希少なので泡盛ファン垂涎のお宝になるというわけ。与那国島に行ってこれを買わずに帰れませんでした(^^)

おこげ 60度 花酒

崎元酒造所



今では直釜式蒸留機を使っているのは石垣島、波照間島、与那国島、宮古島の離島の酒造所だけで沖縄本島の酒造所では使われていませんと書きそうになりましたが・・・忘れてはいけないところがありました。

 

8年連続で泡盛造りを体験している忠孝酒造さんの手造り泡盛工場(忠孝蔵)も直釜式でした。

直釜式蒸留機@忠孝蔵
直釜式蒸留機@忠孝蔵

ここまで見てきた蒸留機は縦型ばかりでしたが横型タイプもあります。こちらは龍泉酒造さんの蒸留機ですね。

横型の蒸留機@龍泉酒造
横型の蒸留機@龍泉酒造

挑戦者求む!|泡盛の蒸留機クイズ

突然ですがここでクイズです。工場見学をしている方じゃないと難しいかもしれませんが泡盛のおつまみに挑戦してみてください。

 

ここまで読んでいる途中に少しヒントを書いておきました。

蒸留方法の異なる泡盛を集めて飲み比べするのは面白いですよ。蒸留方法が同じでも酒造所毎にまた味わいが違うので面白いです、オススメします(^^)


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