泡盛テイスティングで心掛けていること

僕が泡盛のテイスティングをするときに特に心がけているのはこの2つ。

  • 泡盛の良い面を見る
  • 感覚的な表現よりもできるだけ正確に

できないときもありますができる限り意識するようにしています。泡盛のテイスティング勉強会ではできるだけ正確に表現することを特に心掛けています。


テイスティングに人付き合いの本質を想う

テイスティングの本質について僕が語れるようなものは何もありません。ただし単に「うまい」「まずい」というのはもってのほかだし、「好き」「嫌い」というのも違うのはわかります。

 

泡盛も人間で長所・短所があるので、短所を見つけてそこを突いてやろうという気持ちではなく、個性や特性を知り長所(良い面)を見つけて、そこを伸ばして・引き出してあげるような気持ちでテイスティングすることが重要だと泡盛マイスターの講習会で教わりました。

 

仮にマイナスの面であってもダメ出しにならないように表現に気を使うというテクニックもあるようです。泡盛に限らず人付き合いにも応用できそうですよね。いや~泡盛テイスティングって深いなぁと思わず唸ってしまいました。

 

銘柄当て(の練習)をする場合は少し違ってきます。バニラ香りが強い、苦味が強い、ゴム臭が強いなど良くも悪くも特徴的な部分に目を向けた方が判別しやすいと思います。ただしこれはあくまでも例外です。


できるだけ正確に

濡れた犬、猫のおしっこといったアーティステックな(適切かどうかわかりませんが)テイスティングの表現はカッコいいですよね。思わず飲んでみたいという気持ちを掻き立てられる表現が必要なのもよくわかります。でも実際に飲んだ時にしっくりくることって少ないんじゃないでしょうか。

 

他には「握力のある」「オリエンタルな」とか泡盛マイスターのテキストにも載っているし、味わいのある表現だと思いますがやっぱり伝わりにくいですよね。ボキャブラリーの少なさを正当化したいわけじゃなくて、僕たち泡盛マイスターは泡盛の香りや味わいをできるだけ正しく、受け手に伝わりやすく伝えるのが本来の役割だろうと思っています。相手の頭の中にある表現を使って表現しないと正確に伝わりませんからね。泡盛フレーバーホイールが作られたのもそういうことじゃないですか。

 

そう考えると僕たちは香りを正しく認識していないと話にならないってことです。まずは泡盛の代表的な香りを把握するためのトレーニングが必要だと思っています。本物で確認するのがベターなのはわかっていますが勉強会で効率的に学ぶことができるようにテイスティング勉強会で活用しているのが香りサンプルです。

 

はじめは化学成分だったのですがローズマリー、クローブ、レモングラスなどより身近な香りサンプルになって非常にわかりやすくなりました。泡盛マイスターの先輩で香りのプロフェッショナルのIさんに提供していただきました。ありがとうございます。 

香りサンプルと泡盛フレーバーホイール
香りサンプルと泡盛フレーバーホイール
香りサンプルと泡盛テイスティングチャート
香りサンプルと泡盛テイスティングチャート

テイスティング勉強会は泡盛初心者の方も参加されるので、泡盛マイスターと言うことを意識しすぎて格好つけて耳ざわりの良い言葉遊びに走らないように気をつけています(苦笑)

 

余談ですが、口に含んですぐに吐き出すのはスピットでしたっけ?お酒に対する冒涜じゃないのかと思ったり、やっぱり飲み込んで喉ごしを感じないと分からないよとか最初は悩んだこともありましたが、テイスティングの数をこなそうと思うと飲み込むと酔ってくるので、テイスティングを楽しむのか?正確にテイスティングしたいのかで吐き出す飲み込むは使い分けたらいいと思います。

 


参考|泡盛の香りサンプル・トレーニングキット

ビニールの袋を開けると泡盛の香りとともに一見して本のような箱が出てきました。

箱から内箱を取り出すとさらに泡盛の香りが広がって、お取り扱い説明書も一緒に出てきました。

箱を開くと中には小瓶が24本。

ここまでくればなんとなくイメージできますか?これは泡盛の代表的な香りを液体化したもので泡盛マイスター協会と稲畑香料さんが共同で開発した泡盛の香りサンプル・トレーニングキットです。イソ・アミルアルコールからのマルトールまで泡盛の香りを構成する代表的な24種類の化学成分が揃っています。

この香りサンプルの存在は以前から知っていましたがご縁があって僕のところにやってきました。貴重な泡盛の香りサンプルを譲り受けたことで身の引き締まる思いです。ありがとうございました。開発の経緯などの詳しい話は袋の中に入っていた琉球新報のコピーとお取り扱い説明書に書いてありますが、泡盛の香りの特徴を物質名と関連付けて覚えやすくするために作られたのがこちらの泡盛の香りサンプルなんですね。   

化学成分とその香りの特徴が頭の中で整理できていないことで、どうしても感覚的に香り(味も)を表現している感が否めなかったので香りサンプルとの出会いに興奮気味しています。

 

そこで、泡盛テイスティングの勉強会(大阪泡盛の会)では「泡盛の香りサンプル」を毎回1つずつテイスティングすることにしました。記念すべき第1回は「イソ・アミルアルコール」です。

 

ただし、一抹の不安もありました。というのも発売から9年経っているので、もしかすると劣化しているかもしれないと伺っていたからです。素人の僕には劣化しているのかどうかが全くわからないので、家で試すことなく勉強会に持ち込みました。勉強会に持って行けば、メンバーにこのサンプルを開発されたご本人がいらっしゃるので判断してもらえるというわけです。

結果は・・・劣化してました~(泣)   

 

作られたご本人がおっしゃるので安心して書きますが、体臭のような臭いです。ストレートに言ってしまえば足の匂いですね(笑)。専門的にいうと酸化して吉草酸になっているそうです。

 

この日は1日外出する日だったので、香りサンプルを持ち歩く時に泡盛のいい香りを全身から発散させてしまうかもしれないと思い、漏れないように瓶が割れないようにと、袋を二重にしたり緩衝材で包んだりしていましたが、大事に大事に足の臭いがする小瓶を抱えて一日過ごしていたかと思うと笑えます。 

 

家で漏れていないか確認した時に瓶が明らかに異臭を放っていたので、嫌な予感はしてたんですけどね。ちなみに足の臭いは容器の外側から漂う匂いです。念のために蓋を開けて中身も確認してもらいましたが、いずれにせよ酸化してしまっているようでした。中身はマッキーの匂いがしました、ゼブラの油性マーカーのマッキーです。いい匂いと感じる人が少なからずいるあのペンですね。   

 

香りサンプルの取扱説明書によると、イソ・アミルアルコールは薬品的な香り、アルコール様の香り、甘い芳香、バナナの甘い香りを想起させるらしいので、わからないでもないのですが刺激的に変化していました。密閉されていてもさすがに9年という年月に勝てなかったようです。

 

次回まで新しくイソ・アミルアルコールの香りサンプルを準備していただけることになったので、お楽しみは次回に持ち越しです。

余談ですが相方が言うにはこの取扱説明書からはパン粉の匂いがするらしいです。うそやろ~と確かめてみたら本当にパン粉。ここまで香りを的確に例えられるとなんか悔しいけど、かなり的を得た表現なので機会があればたくさんの方に実際に確認して欲しいです。


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