
「アワモリ×アワヒニ|メニュー試作会」のレポート記事が泡盛新聞に掲載されました。
参考|【読者投稿】大阪発!新しいスタイルの泡盛イベントを提案
投稿記事には納まらなかったメニュー試作会の様子を詳細にレポートします。メニュー試作会の前にプレ試作会を開催してメニューだけではなく1つのイベントが完成するまでの過程も楽しんでいただきました。まずはメニュー試作会を企画した想いをご紹介します。
- メニュー試作会を企画した想い
- プレメニュー試作会
- メニュー試作会
メニュー試作会を企画した想い
食中酒の泡盛はどんな料理にも合うのに、どうしても沖縄料理というイメージがありますよね。へたをすれば沖縄料理にしか合わないというイメージの方が強いかもしれません。
泡盛は沖縄が世界に誇る銘酒ですが、こういったイメージが逆に泡盛が広く普及するのを邪魔しているような気がします。沖縄以外で泡盛を飲むなら、その土地の空気・水・料理と一緒に楽しめないとやっぱり広がりませんよね。そこで、泡盛の持つ既存のイメージを再構築しよう!とイベントを企画しました。
会場は泡盛を全く扱っていない大阪・天満橋のお店、アワヒニさんです。とてもおしゃれなカフェです。泡盛とアワヒニさんの珈琲とお料理をコラボさせることで、「脱沖縄」、「脱沖縄料理」をキャッチフレーズに、これまでにない新しい泡盛の楽しみ方を提案したいと思います。
企画を練っているときに泡盛の飲み方やあわせるメニューを考えていたら、これがものすごく楽しかったんですよね。だから主催者がメニューを全て完成させて一方通行的に提供するのではなく、参加者も一緒になってメニューを作りあげる、またその過程も楽しもうというコンセプトでメニュー試作会を企画しました。

プレメニュー試作会

アワモリ×アワヒニに登場する泡盛は最近、何かとご縁がある瑞穂酒造さんにご協力をいただき3銘柄を準備しました。

試作会といってもベースとなるメニュー案がないと進めにくいので、主催者が練った案を参加者のみなさんに味わっていただきながらご感想・ご意見をヒアリングさせてもらおうというスタイルの会です。はじめに僕から泡盛についての思いやメニュー試作会の趣旨を10分程度お話しさせていただきました。

乾杯はワイングラスで
ワイングラスでいただく「琉球泡盛ender」お洒落ですよね。


「琉球アワモヒート」とカルパッチョサラダ。これも全然泡盛っぽくない!


「美ら燦々×赤ワイン」と豆腐ようとクリームチーズのディップ、バケット。

そしてブルスケッタへ。

この辺りで予定していた2時間が経過・・・。料理はまだ半分までしか進んでいないのに盛り上がりすぎです(苦笑)
貴重な松坂豚のベーコンと泡盛のマリアージュ。そのままでも十分美味しいけれど、少し炙るのがすごくいい。このベーコンはなかなか手に入らない貴重なものだそうです。

アワヒニさんオリジナルの「イタリアンおでん」を「美ら燦々」と合わせてみました。おでんに泡盛というのも個人的には相性がいいと思いますが、イタリアンなおでんとの相性もいいですね~(^^♪

特製泡盛珈琲
食後の珈琲も泡盛。これは「美ら燦々」を使ったアワヒニ特製珈琲泡盛です。

この珈琲泡盛は参加者のみなさんが大絶賛されていたので、すぐにでもアワヒニさんのメニューに登場しそうな勢いがありました。
上に浮かんでいる泡はメレンゲです。珈琲はホットがいいのか?それともアイスか?グラス?カップ?甘さを加えたり、炭酸で割ったり、試行錯誤を重ねて形になってきました。
試行錯誤しながらいい感じに仕上がってきました。これはあともうちょっとという感じですね。
メニュー試作会といいながらただ飲んで食べてしゃべってただけじゃないの?と思われそうなので、メニュー試作会らしい画像もアップしておきますね。


画像を見ていると尚更、楽しそうに飲んで食べてしゃべっているように見えますね(笑)
「アワモリ×アワヒニ」は女性がメインターゲットなのでプレメニュー試作会は全員女性の方にお集まりいただきました。ちなみに泡盛をまだ飲んだことがない方はいませんでしたが、みなさんにはそういう方になったつもりで考えていただきました。
いただいたご感想、ご意見
「琉球泡盛ender」をワイングラスでカリー!
- 泡盛が苦手ならもう少し薄め(水割り)に作った方がいいかも
- 強めの炭酸で割ってシュワシュワ感が欲しい、イメージはシャンパンもしくはスパークリング日本酒
- キリッと冷やして飲みたい!
- レモンやローズマリーでアレンジしてみたい
「琉球アワモヒート」とカルパッチョサラダ
- 炭酸割りもしくは、少量の氷を入れて食前酒にしたい
- ガラスのお猪口で飲んでみたい
- サラダとあわせるよりも食前酒の方がいい
「美ら燦々×赤ワイン」と豆腐ようとクリームチーズのディップ
- ディップはすべてすり合わせて滑らかにした方が口当たりがいい
- ディップはハーブ、スパイス(クミン、ディル、ローズマリーなど)でアレンジしてみたい
- ブルスケッタにオリーブオイルを付けたらさらに美味しくなった
- 赤ワインはもっと少なくてもいい(泡盛2:赤ワイン1ぐらい)、赤ワインはなくてもいい
松坂豚ベーコンと泡盛のマリアージュ
- 松坂豚のベーコンが美味しすぎる
- 泡盛はどんなタイプでも合うと思うが特にボディーの重い系の方が合うと思う
「美ら燦々」とイタリアンおでん(アワヒニオリジナル)
- 「美ら燦々」のお湯割りが美味しい、氷を入れない水割りが味の伸びがあって美味しい
- イタリアンおでんは、だしの香りでとても美味しい、女性好み
- イタリアンおでんには、「琉球泡盛ender」の炭酸割りが女性に受け入れられそう
「美ら燦々」を使ったアワヒニ特製珈琲泡盛
- アルコールが苦手な方にもおススメできる
- 甘さが控えめでカルーアミルクっぽい
- ホイップクリームは混ぜないで飲んだ方がいい
- 飲み口がいいけど濃厚なのでデザート向き、ガトーショコラ、ザッハトルテと一緒に飲んでみたい
- 苦味のあるスィーツと相性が良さそう
- 夕方~バータイムで飲みたい
泡盛の飲み方や料理とのマリアージュの改良点が見えてきたのもそうですが、「アワモリ×アワヒニ」のターゲットをさらに明確にすることができたことが最大の収穫でした。
「泡盛をまだ飲んだことのない女性」といってもお酒自体をほとんど飲まないという方ではなく「日本酒は美味しいから良く飲むけど、泡盛は強いし、きつくて飲めないと思っている女性」をターゲットにすることが明確になりました。兎にも角にもメニュー試作会が楽しいことがハッキリしたので、本番までにもう何回かメニュー試作会を開催して、楽しみながら内容をブラッシュアップしていこうと思っています。

ご参加いただきましたみなさま、どうもありがとうございました。
メニュー試作会
ワイングラスで乾杯!

「琉球アワモヒート」はアルコール度数が12度と低めなのでそのままでも飲みやすいのですが、泡盛に馴染みのない女性をターゲットにメニューを考えているので、琉球アワモヒートと炭酸を1:1の割合で割ってより飲みやすさを重視しました。
<いただいたご感想、ご意見>
- 爽やかで食前酒にぴったり
- 程よく胃が刺激されて食事が進みそう
- 女性には炭酸、氷がもっと多くてもいい
- ミントの葉を浮かべるとオシャレ
- はじめてなので炭酸で割らずにそのままでも飲んでみたかった
さらに楽しむための開発秘話
琉球アワモヒートは瑞穂酒造さんの泡盛リキュールで氷を入れたグラスに注ぐだけで、誰でも本格カクテルが楽しめるという優れもの。なんですが、僕のような泡盛バカやモヒート好き、一部の泡盛ファンじゃないとなかなか手を出さないのかもしれません。一部のと書いたのは、泡盛ファンでも泡盛リキュールに対して賛否あると聞いた事があるからです。
でもですよ。琉球アワモヒートは開発担当者の仲里 彬さんが学生時代から温めていた企画で、バーに足繁く通い何十人ものバーテンダーと相談を重ねて創り上げた商品だと聞いたらどうですか?
さらに会社から商品化のゴーサインをもらうために仲里さんが自宅の土地にミント畑を作り、試作に使用する原料を自身でまかなって猛烈に会社にアピールされたそうです。しばらくの間、家がミントで溢れていたとか。琉球アワモヒートにかける仲里さんのものすごい情熱が伝わってきますよね。
このエピソードを聞いたらどんなものか飲んでみたくなりませんか?
僕はこのエピソードを聞いてから5割増しで美味しく感じるようになりました。ソーダ割りにするも良し、クラッシュアイスを使ってデザート感覚で楽しむのも良さそうですね。瑞穂酒造さんのサイトにフローズンモヒートのレシピが載っています(^^♪
「琉球泡盛ender」とカルパッチョサラダ

「琉球泡盛ender」はアルコール分が25度あるので、泡盛1に対してソーダ2の割合で飲みやすく仕上げたソーダ割りとサーモン・きのこ・トマトを使った見た目も美しいカルパッチョサラダを合わせて楽しんでいただきました。

<いただいたご意見、ご感想>
- すっきりとした吟醸香がサラダにマッチする
- 吟醸香を感じるので、炭酸で割るとスパークリング日本酒のようなイメージがある
- 泡盛(麹の)の香りが少し気になる。琉球アワモヒートの後に飲むと少しきつく感じる
- サラダにはパクチー、ミント、ライムなどアクセントになるものがあってもいい
- 吟醸香が特徴的なのでオリーブオイルよりもお刺身や醤油といったイメージがあいそう
「美ら燦々」と豆腐よう×クリームチーズ

一般酒の「美ら燦々」は30度ですが、3番目のお酒で参加者のみなさんも徐々に泡盛に慣れてきた頃と感じたので1:1の水割りで飲んでいただきました。
<いただいたご意見、ご感想>
- 豆腐ようのディップが美味しい。ステックサラダに付けたりパスタソースにしてもいいと思う
- 豆腐ようをもっと伸ばしてソースにして、白身魚やエリンギのソテーにかけるのも面白そう
- 1:1の水割りだとアルコール度数が15度ぐらいあるので、お酒が苦手な人には難しい気がする
- 美ら燦々は水割りよりも炭酸割りがいいと思う
- 豆腐ようのディップは「琉球泡盛ender」とのマッチングが合う。イカの塩辛と日本酒のようなイメージを感じた
- 「美ら燦々」、豆腐ようのディップともに味が強いので泡盛初心者にはハードルが高いように感じた
番外編|揚げピザ
豆腐ようのディップをソースにしてみたら?というアイデアを元に、アワヒニのマスターがいわしを使ってさっと作ってくれた揚げピザが登場。味が濃いので「美ら燦々」に合いますね。こんな風に面白そうなアイディアが出れば、その場でアレンジできるのはメニュー試作会ならではです。
家で簡単に作れるので是非作ってみたいというご感想をいただきました。凝った料理はもちろん素敵ですが、手軽に作れる料理と一緒に美味しいというのが泡盛を楽しむキーワードのひとつだと改めて感じました。

「ender」とさばのアヒージョ
アワヒニさんオリジナルのさばの缶詰(水煮)で作る簡単アヒージョと「琉球泡盛ender」のソーダ割りのマリアージュの反応はいかに?

<いただいたご意見、ご感想>
- 「琉球泡盛ender」とさばの相性がバッチリ
- 「琉球泡盛ender」もさばもさっぱりしているので、炭酸割りの炭酸にカシスシロップなどを加えるのはどうか?
- アヒージョが濃いので、「琉球泡盛ender」よりも「美ら燦々」の方が合う
「チキンランチョンミート」
沖縄でポークランチョンミートはお馴染みですが、その場にいる全員が初めてだったチキンランチョンミート。アワヒニ特製のタルタルソースをかけて美味しくいただきました。焼き色が付くぐらい軽く焼くのもこれまたいけます。


番外編の「ビールで炊いたパエリア」
アワヒニのマスターの閃きで急遽登場しました。

美味しくいただきましたがイベント的にはビールじゃなくて泡盛で炊いてみたかったパエリアです。お米にタイ米を使うとまた違った雰囲気になりそうですね。次回は是非泡盛でチャレンジしたいです。
アワヒニ特製パスタ
プレ試作会の時と同じく今回のパスタも参加者のみなさんが絶賛していました。それはそれとして、ぜひ豆腐ようをソースに使ったパスタを食べてみたいというリクエストがありましたので次回は検討してみたいと思います。

「美ら燦々」を使った特製泡盛珈琲

いよいよ「美ら燦々」を使ったアワヒニ特製泡盛珈琲の登場です。参加者のKさんが差し入れてくださった高級ポッキー、バトンドールが大活躍でした。バトンドールは大人気でなかなか買えないみたいですね。Kさんありがとうございました(^^)
泡盛珈琲の上にのったホイップクリームを混ぜるのにも都合がいいのと、見た目にも良いアクセントになっています。
「沖縄で飲んだ泡盛メーカーの泡盛珈琲よりも美味しい!」「お酒を飲んで感動したのは久しぶり!!」など全員が大絶賛されたアワヒニ特製の泡盛珈琲でした。珈琲専門店のアワヒニさんならではの珈琲のチョイスと泡盛とのバランスのなせる技だと思います。

ラストに古酒を堪能

予定していたメニューになかったのですが最後は泡盛の古酒「マイルド瑞穂」を飲んでいただきました。
途中からみなさんが泡盛の味わいに慣れてきている手応えがあったので、このままで終わるのはもったいない!と急遽お出ししたのですがこれが予想以上に好評でした(^^)
こちらは25度ありますがストレートで飲んでいただきました。今回の中では一番アルコール度数が高かったのですが、泡盛を飲むのが今回が初めてという方にも美味しいというご感想をいただきました。瑞穂酒造さん渾身の古酒なので美味しいのは間違いないのですが、メニュー試作会を通して参加者の皆さんが泡盛に慣れて楽しむ余裕ができたからこそ、初めての方にも美味しいと感じてもらえたように思います。
泡盛リキュールを入口に新たな泡盛ファンを獲得しようという試みがありますが、飲みやすさを追求していくとどうしても泡盛リキュール止まりになってしまうような気がします。泡盛リキュールを美味しいと思ってもらえても、そこから一般酒の泡盛の水割りに行くのはハードルが高くて、やっぱり泡盛は強い・キツイと挫折してしまう。
そうならないように一般酒の泡盛はできるだけ飲みやすい飲み方で飲んでいただいて、一般酒の先にある古酒を美味しいと思ってもらえるような流れをいかに作るかが、ポイントになると思いました。
イベントを終えて。
- 沖縄料理以外
- 女性向け
- メニュー作り
といったこれまでの泡盛イベントと少し視点を変えることで、多くの方に泡盛に興味を持ってもらえそうな手応えを感じました。
今回のイベントを通して、大阪で泡盛を楽しむのに相応しいメニューの完成に一歩近づいたのは嬉しいのですが、その反面、この考えている過程がとても楽しいので、完成に近づくことが少し寂しく感じる気持ちも正直なところはあります。第2回を企画しますのでどうぞお楽しみに!
