
開催日:2019年1月22日
2019年最初のテイスティング勉強会でした。
この季節のあるあるですが、キャンセルが多く
参加者は2人だけなのはちと寂しい。
でも前回初参加のNさんが連続参加で
泡盛マイスターにも興味がある感じなので
僕のテンションは高めです(^^♪
さらにテイスティングに興味を持って
もらおうとエキシビジョン的に
2銘柄を選んでみました。
1つめは樽熟成の首里天・瑞穂酒造です。
樽は実技試験的にはサービス問題なんですが
銘柄を当てる試験ではありません。
だから無色透明ではない
琥珀色を確認したらラッキーとばかりに、
なんなら香りや味わいを確認せずに(笑)
テイスティングノートを書き進めることが
できるくらいに準備ができていたら
サービス問題といえるので、
樽熟成泡盛の特徴をしっかり練習して
おきましょうという趣旨です。
って完全にNさんの
試験対策に入ってますね~(笑)
で、2つ目は古酒。
いただきものなので
素性は詳しく把握していませんが、
30度の28年古酒です。
僕のところに来て時間が経つので
既に30年古酒になっているはず。
テイスティングするのがちょー楽しみ!
さてまずは首里天から。
瑞穂酒造さんは天龍蔵という地下タンクが
有名ですが、これは樽で熟成させた泡盛です。
関連記事:古酒は沖縄の宝もの 瑞穂酒造見学レポート
同じ首里天で度数も同じ25度なのに
樽じゃないのもあるのでご注意くださいね。
第一アロマは6:おこげ
第二アロマはこのあたりを感じました。
- 90:キャラメル
- 93:スモーク類
- 熟したぶどう
味わいは、はちみつのような甘味。
マイルドな印象です。
レーズンの様な、しなやかな酸味を感じます。
キャラメルのようでやさしい苦味も。
ビターと表現してもいいでしょう。
鼻に抜ける香りは熟したぶどうを感じました。
適した飲み方と相応しい料理は
こんな意見がでました。
- スモークチキンとソーダ割り
- モンブランとオンザロックで
スモーキー・香ばしさを感じるので
燻製系やスイーツ系と相性がいいと思います。
40分くらい時間をかけてじっくりやりました。
最後に香りを確認すると
ベッコウ飴のような甘い香り。
十分に時間が経った後で確認する香りが
楽しみだったりします。
以前の勉強会で1時間後に
とある泡盛の香りが・・・
まんま松茸だったときは衝撃でしたね~。

続いて28年以上熟成された菊之露。
眠りから覚ますのに時間が必要だろうと
1つ目のテイスティングをはじめるときに
グラスに注いでおきました。
もちろん紙を載せてグラスを塞いでいます。
これを選んだのは古酒らしい古酒を
テイスティングしてもらおうという意図です。
完全に試験対策入ってます、はい(笑)
ところがこれは失敗しました。
香りに古酒らしい力強さを感じません。
グラスに注いでから時間を
おきすぎたかもしれません。
詳しい素性は知らないにしても
30度だったので時間をかけすぎましたね。
濃淡が薄い、のっぺりとした印象でした。
ボトルから直接香りを確認すると
熟したバナナのような力強さを感じたので
すごく残念です。
僕のミスですね、ごめんなさい。
新酒の菊之露と飲み比べてもらって
口当たりのまろやかさの違いは
Nさんに確認してもらいました。
テイスティングメモはこちらです。
芳醇で華やかながら落ち着いた印象です。
第一アロマは5:炊き上がりの米
第二アロマはこのあたりを感じました。
- 19:ラベンダー
- 85:干ししいたけ
- 92:バニラ
- 71:熟したバナナ etc
子供の頃、住んでいた実家の壁(土壁風)
の匂いを思い出しました。
子供だったから良し悪しがわからずに
壁を指でかりかりと掻いて遊んでて、
祖父に怒られたなぁ~。
匂いって、そういう記憶と結びついて
記憶されていますよね。
脱線しますが、
年末に探偵ナイトスクープで観た
亡き父の闘病中の匂いを再現したいという
ご依頼が本当に胸を打ちました。
香りの持つ癒しや勇気を与えてくれる効果の
可能性を感じました。
ほとんどテレビを観ないけど
たまに面白いのに出くわします。
ユーチューブとテレビは
また違った楽しみ方がありますね。
続いて味わいです。
メイプルシロップ、バニラのような
やさしい甘味。
ミネラル感が少し甘味を邪魔をしています。
はっきりととらえることができないのですが
砂のニュアンスを感じるミネラル感です。
伝わりますかね~?
プリンのカスタードのような苦味を
後味に感じます。
酸味はほとんど感じませんでしたが
しいていえば熟したぶどうのような酸味。
相応しい料理は焼き魚や白身魚のマース煮
といったシンプルなものがでました。
どういう状態で熟成された28年古酒なのか
わかりませんが、
30度なのでそもそも少し力が
弱くなってきているのかもしれませんね。
いい勉強になりました。
Nさんにはこのまま継続してもらって、
ぜひ泡盛マイスターを目指して欲しいです。
瓶熟ってやつは奥が深い! 第72回大阪泡盛の会
開催日:2019年2月28日
ヘリオス酒造の「泡盛」の
第一アロマは3:生米、でんぷん質の粉の香り。
パウダリーという表現が相応しいかも。
第二アロマはこのあたりを感じました。
- 16:かんきつ系の皮、シトラス
- 83:栗、ゆでた栗
- キャラメルコーン(時間が経つと)
味わいは、
ゆでた栗のようなほんのりとしたは甘味
きゅうりのような自然な酸味。
苦味もあって辛口な印象です。
舌先にすこしピリピリとした余韻を感じます。
適した飲み方と相応しい料理は
こんな意見がでました。
- ぎょうざやからあげ
- 塩っけのあるもの
シャープで辛口な印象があるので
ソーダ割りにして脂っこいものとあわせても
相性がいいと思います。
最後に香りを確認すると
キャラメルコーンのような甘い香り。
十分に時間が経った後で確認する香りが
楽しみだったりします。
続いては久米仙ブラック古酒35度です。
第一アロマは5:炊き上がりの米
第二アロマはこのあたりを感じました。
- 7:とうもろこし
- 21:ぶどう(白)、熟したイメージ
- 90:キャラメル
キャラメルはあまり色の濃くない
ものがイメージです。
味わいは、
- ビターチョコのような甘味と苦味
- 瓜の漬物の様なしなやかな酸味
- マーマレードの皮のような酸味、苦味
- ぶどうの皮(赤)のような苦味
というように甘味、酸味、苦味の
バランスのとれた味わいでした。
今回のテーマは家庭で瓶のまま熟成させたものと
そうではない古酒の比較でした。
1つ目にテイスティングした「泡盛」は
詰口年月日がなく相当古いものです。
いただいたものなので僕の元にくるまで
どんなところで管理されていたのか
わからないのですが、
もう少し早めに飲んでも良かったのかなと
思わせるような力強さという点では
マイルドになりすぎた印象を持ちました。
瓶熟成の飲み頃は難しいですね。
瓶熟成の10年間に思いを馳せる 第73回大阪泡盛の会
開催日:2019年3月25日
年度末で案の定、
参加人数が少なかったので
エキシビジョン的に
って最近多いですね。
このパターンがっ(苦笑)
渡久山酒造の一般酒「豊年」の飲み比べです。
ラベルのデザインが違うのは
左は瓶熟の14年古酒、右は4年古酒と
造られた時期が10年違うからです。
まずは4年古酒から。
第一アロマは3:生米の香り。
第二アロマは21:ぶどう(薄い緑)
を感じました。
味わいはガムシロップのような甘味。
めっちゃ甘いということではなく
ニュアンスがガムシロということです。
メロンのようなしなやかな酸味。
舌にピリッと感じるような苦味を感じます。
鼻に抜ける香りはシャルドネという雰囲気の
ぶどうの香りをはっきりと感じました。
鼻に抜ける香りをとらえるのは
いつもはなかなか難しいのですが
今回はあっさりと見つけることができました。
一方の14年古酒の方は。
第一アロマは、5:炊き上がりの米
もろみを蒸留しているような香り。
おこげと表現してもよいくらいの強い香りです。
味わいはミルクチョコのような甘さ。
4年古酒と同じくガムシロップ的な雰囲気は
ありますが、なめらかさを感じます。
薄い緑色のぶどうをイメージする酸味を
ほのかに感じます。
「にがり」を彷彿させる自然な苦味を
感じます。
どちらも時間の経過とともに
香り、味わいがかなり変化していきます。
「化ける」と表現するのが
相応しいくらいにです。
それにしても。
4年古酒と比較すると
14年古酒は香り味わいともに
厚みを感じることができます。
持っている雰囲気が同じだけに
厚みというよりも奥行きと
表現してもいいかもしれません。
泡盛マイスター二人で
テイスティングしましたが
どちらが好みなのかは分かれました。
前回も感じたことですが瓶熟成は奥が深い!
なんかいつも同じような
〆のような気がしますが。
深すぎるー(苦笑)
