修復作業も大詰めです! 津嘉山酒造所

酒造所見学ツアー第9弾の本島北部旅行で2蔵目にお邪魔したのは津嘉山酒造所さんです。

 

津嘉山酒造所は2006年に登録有形文化財に、2009年に国の重要文化財に指定されました。2011年から修復工事がはじまり現在は「主屋」の工事が行われています。これまで何回も見学のアポを取ってみたのですが、工事のためにずっとタイミングが合わなくて今回数年越しで見学することができました。見学に行ってみたら修復工事中だったという酒造所はもちろんはじめてです。

 

長かった修復工事もいよいよ今年の9月頃が完成予定だそう。完成したらまた行ってみたいですね!ってまだ見学レポートもはじまってませんね(笑)。工事中だからこそ見ることができたもの、見所がたくさんありました。

 

これなんかもそうです!元の場所に戻せるように番号を書いた板。こうやって一枚一枚丁寧にどこでどう使われていた板かがわかるようにしながらバラしていって、使えるものはまた使うんだそうです。


では見学レポートいってみましょう!

こちらが現在修復工事中の主屋です。葺きたての赤瓦の屋根ってすごく綺麗ですよね。はじめて知ったのですが文化財の修復工事は建物全体を覆ってするんですね。確かにこれなら天候に左右されずに工事を進めることができますね。

この主屋は泡盛造りをする工場部分と住居部分が一体化した建物です。「建物と建物をつないでいる」と酒造所の方は仰ってました。↓この画像の手前が工場で奥が住居といっても、どこまでが工場なのかなんてわかりませんよね?

でもあるものを見れば工場と住居の境目は簡単に見つけることができるんです。

 

この瓦をよく見てください!模様のある瓦とない瓦がありますよね?瓦の模様のありなしで工場と住居の境目を見つけることができます。もちろん模様がある方が住居です。平たく言えば工場の方は簡素な造りと言えるんでしょうね。

なかなかお目にかかれない屋根を葺いていく様子も間近で見ることができました。まずは葺く前の屋根の姿から。

この2種類の瓦を使って屋根を葺いていきます。手前が雌瓦で奥が雄瓦というそうです。

雌瓦と雌瓦の間に雄瓦を積んでいきます。瓦の継ぎ目は漆喰で塗り固めるため耐震・耐風性に優れています。

ずらっーと連続して並べるとこんな感じに屋根が葺きあがってきます。雌瓦の重なり具合をみると台風の雨や風の侵入にも強いというのが頷けますよね。

といった感じに屋根の話を長々と書いてきましたが屋根に特別興味があったのかといわれると答えはノーです。やっぱり興味があるのは泡盛造りなので・・・酒造所の屋根でなければここまで喰いつかなかったでしょうね(苦笑)。


泡盛はどこで造っているの?

かなり大規模な修復工事なので工事中は泡盛造りを休んでいるの?と思ってしまいそうですがそんなことはありません。工事中も休まずに造られている津嘉山酒造所の泡盛造りの様子を見ていきましょう!

 

まずは洗米から。この回転式ドラムは修復工事中の主屋とは別の建物にありました。

回転式ドラムの隣にあるこちらの麹棚で麹が作られています。

またそんなところを気にして~!って感じですが、蒸した米は回転式ドラムから麹棚へこのざるで運んでいるそうです。1回に仕込む量は700kgと伺った記憶がありますが、忠孝酒造さんの泡盛造り体験で運ぶ量(60kg)から想像すると大変さがよくわかります。

これは僕が毎年行っている忠孝酒造の泡盛造り体験の様子で仕込むは60kgです。

こちらがもろみタンクとタンクの中で発酵中のもろみです。

そしてもろみはこちらの蒸留器へ運ばれて蒸留されるのですが、なんとこの蒸留器は現在修復工事中の主屋に中にあるんですよ!!

蒸留器のまわりを見渡すと修復工事に関係するものがところ構わずに置いてあって、本当にこれで蒸留しているの?って思ってしまうほど。

 

ちなみに↓このはしごの下が工場の流し部分でその左隣には住居のかまどがありました。修復工事中の現在は流しとかまどの間に仕切りなどはありませんでしたが以前はどうだったのか?聞きそびれました。

蒸留器がある辺りの屋根にはこんな煙突が突き出ています。

泡盛造りの工程に沿って津嘉山酒造所の泡盛造りを見てきましたが、蒸留された泡盛はこのタンクや甕で全国の泡盛ファンの元へ旅立つのを待つことになります。

甕の上のダンボールが積んであるこの板の上で昔は麹作りをしていたとか。興味深いですね~

これは地下の貯蔵タンクで残念ながら現在は使われていませんが、中はタイル張りなんだそうです。

津嘉山酒造所の代表銘柄である「國華」には市場に出回る量が少ない珍しい泡盛というイメージを持っていました。今回工場を拝見して瓶詰めやラベル貼りの道具を目の当たりにすると出回る量が少ないのも納得できました。従業員はお二人で手作業で泡盛造りをされているようです。

工場を案内していただいた工場長のKさんと記念撮影。僕が持っているのは「六諭」という酒造所でしか購入することができない泡盛です。限定泡盛を買えるのも酒造所見学の醍醐味ですよね(^^♪

 

工場を拝見して泡盛から手のぬくもりが伝わってくるような印象を持ったのでいつも以上に大切に味わって飲みたいと思いました。Kさん丁寧に説明していただきましてありがとうございました!


主屋の修復工事が完成したら主屋の工場部分で泡盛造りをすると伺ったので住居部分は宿泊施設にすれば面白いんじゃないかなと妄想してしまいました。単に僕が酒造所に泊まってみたいだけですが^ ^

これまででお邪魔した酒造所は39箇所になりました。訪問日:2017年7月4日 

文:泡盛マイスター伊藤 薫