泡盛好きは読まずにいれない!? 泡盛ブックいろいろ

これが原点の泡盛本

「知識ゼロからの泡盛入門(日本酒類研究会/幻冬舎)」

まさにタイトル通りのタイミングで出会った泡盛本。泡盛マイスターの実技試験の前はテイスティングの表現のコツがなかなか掴めなくて、泡盛カタログにあるテイスティングメモで勉強させてもらったまさに原点の一冊です。かなり読み込んでます。


ペリーも泡盛がお好き!?

「ペリー艦隊日本遠征記 上下(翻訳:㈱オフィス宮崎/(有)万来舎)」

1853年開国を要求するために日本にやって来たペリー御一行ですが浦賀に来る前に琉球(沖縄)で泡盛を一杯ひっかけてからやってきたということをご存知でしょうか? 

 

泡盛マイスター教本からの抜粋になりますが・・・ 

 

ペリー秘書官テイラーは手記の中で「小さな盃に注がれた酒が出されたが、この酒はこれまでの島で味わったものに比べてはるかに芳醇なものだった。醸造が古くて、まろやかに熟しており、きつくて甘味のあるどろっとした舌触りで、いくらかフランス製のリキュール酒に似ている」・・・と言っています。

 

察するに、ペリー提督は琉球王朝から素晴らしい泡盛の古酒でおもてなしを受けたということのようです。

 

現存する泡盛の酒造所で最も古いのは新里酒造さんの1846年創業なので創業約160年ということになります。以前泡盛セミナーでペリー提督が飲んだ泡盛は新里酒造の泡盛かもしれないなんて話を伺いましたがペリー提督も「古酒琉球」を飲んだのかななんて考えるとロマンが膨らみますね(^^)

 

日本が日米和親条約を結んだように1854年に琉球も「琉米修好条約」を結ぶわけですが、その間ペリー艦隊は計5回も琉球を訪れているみたいですね。そんなに滞在していたら、さぞ泡盛の酒造所巡りも数をこなせたでしょうね。←違うか! 

  • 1853年5月26日~6月9日
  • 1853年6月23日~7月2日
  • 1853年7月25日~8月1日
  • 1854年1月20日~2月7日
  • 1854年7月 1日~7月17日

これを機会に一度読んでみるのも面白いかなと思い、GWに「ペリー艦隊日本遠征記 上下(翻訳:㈱オフィス宮崎/(有)万来舎)」にチャレンジしてみました。

1,100頁を超えるボリュームのため貴重なGWの時間の大部分を費やしてしまいましたが泡盛マイスターとしてはこんなGWの過ごし方も良しとしましょう。しかしボリュームの割には泡盛についての記述はほんの少しだったので、泡盛目線で読むにはあまりお勧めできません。


失われた100年古酒に思いを馳せる

「松山御殿物語」

断捨離中の泡盛マイスターの先輩から託された「松山御殿(マチヤマウドゥン)物語」(2冊お持ちだったようです)。

 

琉球最後の国王 尚泰の四男尚順男爵に関する書籍で第一部  尚順遺稿 第二部  松山御殿の人々 第三部  尚詮随想という三部構成です。尚順男爵といえば泡盛についての造詣が深く遺稿集でも泡盛について多くの言及をされているので泡盛マイスターとしては鷺泉随筆が収められている尚順遺稿にどうしても興味がいきますね。

 

鷺泉随筆(一)「豆腐の礼讃」で紹介されている豆腐料理の数々。発酵した豆腐で作った「イタミ六十」やこれを豚の油でからりと揚げて塩煎餅のようにした「干六十揚」など。もしイタミ六十を理想的に熟成されることができれば、それは世界一といっても間違いのない珍味と書かれています。

 

残念なことにイタミ六十を作ることのできる人がいなくなっているそうですが・・・

 

イタミ六十に限りなく近いと思われる豆腐料理と沖縄で出逢うことができました。

口にした時には感動すら覚えた逸品で納豆やイベリコ豚のニュアンスを感じました。これは揚げているので干六十揚に近いのかもしれません。↓この画像のような揚げないままの状態でチャンプルにしたものをいつか古酒と一緒に味わってみたいものです。

古酒といえば尚詮氏(尚順男爵の六男)の親友が寄稿された「松山御殿の思い出」に次のような一文がありました。

 

その玄関の下に地下室があって、そこは泡盛の保存場所で百年以上も前から貯蔵した古酒のカメが十数本おかれていた。詮君がそのカメを開けてサジですくって見せてくれたのが梅色や黄色になった古酒がつまって、香ばしいかおりをただよわせていた。その古酒も倉庫も戦争でなくなってしまった。高価な歴史的遺産がなくなったわけである。

 

百年以上も前から貯蔵した古酒とは、まさに尚順男爵の古酒。あの戦争さえなければさらに時を重ねていたことと思います。

 

50年物、100年物といった古酒を熟成することができるということは言い換えればその間ずっと平和だったということに他なりません。これからは100年、200年と安心して古酒を育てることができる世界であって欲しいものです。


そろそろ洗礼を受けるのか??

「沖縄島々旅日記(コーラルウェイ編集部/新潮社)」

宮古島ならではの泡盛の飲み方といえば「オトーリ」ですよね。

 

そしてオトーリにまつわる有名な逸話といえばこれ。   

 

オトーリがきっかけの過剰飲酒によるトラブルや未成年の飲酒による交通事故に端を発して、上野村議会でオトーリの廃止決議をした。

そしてその夜に良かった良かったと、決議を祝ってオトーリを回してしまったという話。   

 

ありえそうだけど(笑)、ほんとのところはどうなんだろうと前から思っていたらこの本に真実が書かれていました。

・・・その日にオトーリ回したなんて、言語道断、そんなことあるわけないだろ!」 by当時の上野村村長・芳山弘志氏

 

やっぱり話が盛られていました(笑) 。事実なら沖縄のおおらかさを現すにはこれ以上にないエピソードだったんですけどね。

 

他村の人たちが面白おかしくひやかして、そういう噂が広がったんだよ」ということらしい。残念ですが事実とは違ったみたい。

 

昔は1回まわすスタイルだったものがどんどん回数が増えてしまって、夜のトライアスロンといわれるような現在のスタイルになったみたいですね。いつか体験しなければと思いながら体験しないままに今日まで来てます。恐いもの見たさの恐いがまだ勝っていますが、そろそろオトーリの洗礼を受けることになりそうな予感が・・・

 

します。


これぞまさに極楽の泡盛

「至福の本格焼酎 極楽の泡盛(山同 敦子/ちくま文庫)」

内容は焼酎がメインで泡盛はほんの少しだけですが「春雨」の宮里酒造所について書かれた記事は読み応えがありました(ちなみに泡盛も焼酎です)。

春雨、宮里酒造所そして泡盛の素晴らしさを余すことなく書かれた内容で著者の春雨に対する愛が溢れ出しています。もはや洪水状態です(笑)。

 

僕も宮里酒造所さんは2回ほどお邪魔させていただきましたがまた行ってみたくなりました。そして今すぐ春雨が飲みたくなりました。

 

他の酒造所の記事を読んでもこの酒造所が見てみたい、ここの酒を飲んでみたいという気持ちにさせられる文章です。ブログで泡盛について発信している身としては読み手がこの泡盛を飲んでみたいと思ってもらえる記事を目指して書かないといけないですね。お手本にさせていただきます(^^)

 

中でも桶売りについて書かれた箇所が印象深かったなぁー。

 

平和は訪れた。だが、現実は厳しかった。主に造ったのは、銘柄をつけずに中身だけを大手メーカーへ売る、“桶売り”の泡盛であった。泡盛は46社メーカーがあるが、上位4、5社の大手メーカーで生産量の6割を占め、約10社で8割を超えている。(中略)価格で勝負できない小メーカーは、ノンブランドで大手に桶売りするか、熱烈なファンをつかむしか生き残る術はないのである。

 

宮里酒造所は熱烈なファンをつかむことができた数少ないメーカーの1つなのは間違いありませんね。この本で紹介されていたファン垂涎という春雨の20年古酒をいつの日にか飲んで極楽を感じてみたいものです。


「焼酎・泡盛ハンドブック」の秘かな楽しみ方

「焼酎・泡盛ハンドブック(ゆったり焼酎・スッキリ泡盛の会/池田書店)」

2007年に発行されたものなのでラベルが現行のものと違っているものや終売になっているものもあってハンドブックというよりは資料として楽しめます。

 

ハンドブックに載っている「豊年」のラベルが我が家にある、瓶で10年間熟成された豊年のラベルと同じでした。ちっちゃいけどよく見るとハンドブックの方の詰口日も同じ平成16年(に見える)。

「豊年」の隣の「千代泉」のラベルも見慣れないデザインです。

 

こんな風に一覧になっていると一番高いのはどれなのか?とついつい探してしまうのですがみなさんはそんなことしないのでしょうか?

 

ちなみに泡盛の中で一番高かったのは「守禮(限定20年古酒・43度)」・神村酒造でした。瓶で20年間熟成させたものみたいです。

最高額といっても2万5千円!高いといえば確かに高いのですがワインと比べるとかなりリーズナブルだなと思います。


おとーり回しませんか?

「おとーり 宮古島の飲酒法(ぷからすゆうの会)」

泡盛マイスターの先輩からお借りしたおとーりのマニュアル本、「おとーり 宮古島の飲酒法(ぷからすゆうの会)」。

パラパラとページをめくると別の泡盛マイスターの先輩から教えてもらった宮古島おとーり回士のこともしっかり載っていました(^^) 

 

脱線しますがこれは相方が宮古島で買ったパーントゥのおとーりグラス。

パーントゥというのは宮古島の泥の神様です。さらに詳しく知りたい方はこちらをどうぞ(パーントゥの御利益 千代泉酒造所)。 

相方が家飲みでこのグラスを使っているのを横目に何食わぬ顔をしていたけど、実はかなり羨ましい~(笑)。

 

知れば知るほどに怖くなるおとーりだけど、さあいつやろう? 


「泡盛を家庭の食卓に」を目指そう!

「泡盛王国(田崎 聡/食の王国社)」

著者の田崎氏と猪股吉貴氏(ジャパンリカーサービス㈱取締役:当時)の対談記事、「泡盛談義」を興味深く読みました。   

 

これは2006年に発行された本なので 約10年前の話ということになりますが、こんなことが書かれていました。

 

男性はわかりやすいものしか買いません。本当に飲みやすいすっきりしたものか、アクの強い濃いものかどちらかを求める。カーッと飲んで、酔って楽しんで終わってしまいます。あまり味わっていない。

女性は圧倒的に味と香りをみます。自分が旨いと思わないと買わない。細かいところまでチェックしています。

 

泡盛(焼酎)の買い方や楽しみ方の男女の違いについて僕自身も含めて納得できる部分がありますね(笑)。

 

さらに

女性は焼酎を嗜好品としてみていて価値を見出してくれていますが、男性にとってはいまだに「安く飲める酒」ですね。

 

といった視点から焼酎・泡盛を家庭の食卓に上げることが大切だということ。女性、特に母親が焼酎や泡盛を家で飲むことで、長い目でみれば子供が母親の好みに影響を受けることによって、焼酎・泡盛が広まり定着するのではということが書かれていました。

 

対談から約10年・・・家庭でお母さん達が焼酎・泡盛を飲んでいるイメージはまったくありませんね(^o^;)

 

そもそも男女問わずお酒好きというイメージがある人でも家ではまったく飲まないという人もいます。泡盛は食中酒に最適なので家庭の食卓にも合う筈なんですが・・・。かなり難しいのかもしれませんがお母さん達に家庭で泡盛を飲んでもらうことを目標にして家飲みでの泡盛の楽しみ方も綴っていこうと思います。


強い酒、考える酒。

「ブルータス DRINK&THINK」

泡盛は強い、きついというイメージをもたれることが多いので、それならと逆に期待してしまう、このタイトル。

これはもう泡盛をたっぷり取り上げてくれていると期待したのに・・・

泡盛が載っていたのはほんの数ページだけ。全然でした(>_<)

↓これは60度の「どなん」だから花酒。厳密にいえば泡盛じゃないし。。

でもまあ泡盛のことを忘れてしまえば(笑)、どの記事も興味深く一冊丸ごと読み応えがありました。特にこの「忘れられない一杯。」というショートエッセイ集が良かった~この特集のための書き下ろしなんだそう。

どういう人が書いているのかと執筆者一覧を見ると同い年で同じ山形出身の方も名を連ねていました。

 

いつかはこういう誌面で泡盛のこと書いてみたいですね。もちろん強い酒という前置きはなしで。


ヒルザキに挑戦しようと思ったら

「大琉球料理帖(髙木凛/新潮社)」

全体はパラパラ眺めたぐらいですが泡盛のところだけはじっくり読みました。でも泡盛という項目はなくて焼酎という項目なんですよね。この本のもとになっている琉球王朝時代の食医学書「御膳本草(ごぜんほんぞう)」が書かれた1832年当時は泡盛ではなく焼酎と呼ばれていたからなんです。歴史を感じますね。   

 

「多飲は上気して頭痛、吐逆等が起つて元気を損傷する。」

とあるので昔の人も飲みすぎて痛い目をみていたようですね(笑)。

 

穏やかじゃないのが↓こちらです。

焼酎を呑んで冷水並に熱湯に沐浴すれば忽ち死亡する。慎むべきである。

 

はい、気を付けます(*_*) 。ところで腑に落ちなかったのが禁忌(きんき)として、薑(せうが)、蒜(にんにく)とあったこと。

 

禁忌は「してはいけないこと」の意味ですよね、タブーのニュアンスなのかもしれませんが泡盛ににんにくを浸けたにんにく酒、ヒルザキは泡盛マイスターの試験問題になるぐらいだから沖縄では普通に飲まれているものだと思ってました。国際通りにある某店に行けば仕上げにヒルザキを頼むことが多いし先日も大阪の某店でいただきました。

 

このヒルザキは30度の泡盛に浸けたものでさっぱりして飲みやすかった。

43度くらいの泡盛に浸けると酷と甘味がしっかり出るように思います。国際通りの某店のヒルザキの甘さの正体は、もしかすると黒糖を入れているのかもしれませんね。家でもヒルザキを作ってみようかと思っていた矢先だったので出鼻をくじかれた感がありますが、中国産じゃない極上の蒜を探してチャレンジしてみたいと思います(^^♪



「焼酎楽園」

15年前のお宝発見(^^)v

お宝なんて書いてしまいましたが果たしてどれくらいの人がお宝と感じるんだろう?これをお宝と感じるのはかなり少数派かもしれませんね(笑)

 

「焼酎楽園」の泡盛特集は見つけたら必ず買っているのですが2000年6月発行の創刊第3号をブックオフでゲットしました(^^)v 

15年も前の本なのにピッカピカでした~

前の持ち主がどんな人かなんて知る術はありませんがこんなに綺麗なのだから大事にされていたんでしょう。逆になぜ手放したのかは気になるところでもありますが^_^;   

 

パラパラとめくっていくと、ちぎれた付箋が残っているページや角を折っているページがありました。そこは黒糖焼酎と泡盛の特集ページ。前の持ち主は黒糖焼酎と泡盛ファンだったんでしょうね。僕的には瑞泉酒造さんの「御酒の誕生秘話」と山羊料理専門店「さかえ」さんの記事が気になってます。泡盛の肴に週末にじっくり読むのが楽しみです(^^♪


焼酎楽園で新しきを知る

出張のお供は某酒屋でゲットした焼酎楽園の第14号で2004年に発行されたものなので泡盛ならオーバー10年古酒です。そして焼酎楽園のお供はワンカップの久米島の久米仙(^^)

焼酎楽園は焼酎・泡盛全般を取り扱う雑誌ですが第14号の特集記事は泡盛です。特集記事の内容に古さを感じなかったのは業界に革新的なものがなかったというべきか・・・。いやいや!600年の泡盛の歴史は色褪せないんです!!

 

酒販店リストには今は無き焼酎オーソリティーのなんばパークス店が載っていました。何回か行った記憶がありますがちょうど10年前といえば司法書士の受験時代で勉強ばっかりの毎日だったので、アルコールを口にすることはほとんどありませんでした。今では考えられませんが月に1回ぐらいでした。

 

合格後、普通の生活に戻って思い出した頃にはもう焼酎オーソリティはなくなってました。今あれば絶対に通ってるはずです。だって焼酎泡盛の品揃えが3,000種類ですよ。是非また復活してほしい!

 

ひとついえることは10年前には焼酎・泡盛ブームが確実にあったということです。そして携帯に便利なワンカップ泡盛は10年前にはなかったのかもしれません。故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る、焼酎楽園で温故知新でした。


泡盛がなくても通いたいお店

泡盛を求めて「焼酎楽園」で紹介されていた酒販店に行って来ました。   

 

ひと通り店内を見渡しても泡盛を見つけることができなかったので店主に聞いてみました。

 

実際に蔵に行き自分の目で確かめたお酒のみを扱っていること。泡盛の蔵はまだ行くことができていないから置いていないことを本当に申し訳なさそうに言われてなんだかこちらが恐縮してしまうほどでした(^o^;)

 

それから話し込んでしまい(笑)、作り手の顔が浮かび酒造所の中のにおいや雰囲気がイメージできる蔵のお酒じゃないと、自信を持ってお客様に薦めることかできないからという熱い思いを聞かせてもらいました。

 

売れるもの(売れそうなもの)を追いかけることの多い時代に本当に頭が下がります。僕もまがりなりにもこうしてブログで泡盛の情報発信をしているわけなので身の引き締まる思いでした。

 

泡盛はひとつも置いてないけどまた来ようと思ったお店。持っていない「焼酎楽園」の第19号をゲットしてるんるんで帰りました(^^♪


続く。

文:泡盛マイスター伊藤 薫