泡盛の賞味期限はいつまで?|瓶熟成の謎に迫る

泡盛のラベルや瓶に貼られているシールの日付を見て「賞味期限が切れている!」と思った方は多いのでは?

 

あの日付は賞味期限ではありません。賞味期限が表示されていないどころか泡盛はなんと!瓶の中でも熟成すると言われています。泡盛の瓶熟成の謎に迫ってみました。

記事の内容

  • 泡盛の賞味期限はいつまで?
  • 瓶熟成って何?
  • 豊年で瓶熟成の効果を検証
  • 古酒作りは瓶と甕どちらがおすすめ?
  • コラム

泡盛に賞味期限はないの?

泡盛のラベルや貼られているシールに書かれている日付は賞味期限ではなく、詰口年月日というものです。泡盛を瓶に詰めた日ですね。

 

だからお店で泡盛を手に取った日よりも当然に前になるなので、詰口年月日ということを知らないとこの泡盛は賞味期限が切れていると思ってしまうのも当然のことなんですよね。

 

泡盛は蒸留酒でアルコール度が高いです。そのため酒質の変化もあまりないということで賞味期限を記載していないのでしょうね。ちなみに詰口年月日を表示するのは当初は義務でしたが最近は任意のようです。


瓶熟成とは?

泡盛は熟成で味わいが増す(美味しくなる)という特徴があり、3年間熟成させたものを古酒(こしゅ、クース)といいます。

 

古酒の詳しい内容はこちらをどうぞ!

泡盛の古酒ってどんなお酒なの?

「泡盛の古酒ってなに?寝かせると美味しくなるの?そもそも泡盛に賞味期限はないの?」←こういった疑問に答えます。本記事では古酒(こしゅ・くーす)の定義、おいしい飲み方をはじめ古酒の造り方まで沖縄の宝、古酒の魅力を初心者にもわかりやすく解説します。

泡盛の熟成というと甕で寝かせるイメージがありますが、泡盛は瓶詰めされた後も熟成が進み瓶で熟成させたものを瓶熟(びんじゅく)と言ったりします。

 

瓶熟は瓶熟成(瓶内熟成)の略ですね。ほとんど省略されてませんが。

 

でもこんな声が聞こえてきそうですね・・・

瓶のままでほんまかいな?

確かに瓶のままで10年間保管していた泡盛が美味しくなるどころか残念な感じになっていたという話を聞いた事があります。

 

一方で、こんなに美味しい宮の鶴は飲んだことがないと、居合わせた全員(ほとんど泡盛マイスター)が唸るほどに美味しく育っていたということがありました。

 

その宮の鶴は杜氏のお名前が先代のものだったのでかなり古いものだったと記憶しています。他にも瓶熟成の7年、8年古酒を飲んだ時は美味しくなっているように感じました。

 

そもそも瓶熟成状態で販売されている泡盛もあります。「残波Z(ゼット)2001古酒(25度)」は25度に加水して2001年から瓶に詰めて熟成させていた泡盛です。

 

例えるなら14年もの長期間前割り状態で保存しておいたようなもの。水と泡盛の馴染み具合が半端じゃありません。美味しかったなぁ。

残波Z2001
残波Z2001

これまで瓶熟成の美味しさを感じたことはありましたが、瓶で熟成したものと新酒を並べて飲み比べたわけではないので実際のところどうなんでしょうね?

 

熟成させなくても、そもそも美味しい泡盛だったのかも?やってみないとよくわからんというわけでやってみましょう(^^)/


2つの豊年で検証します!

泡盛の瓶熟成の効果を比較するのにうってつけのものが手元にありました。

 

瓶詰めされた日が10年違う宮古島の泡盛「豊年(30度)」です。渡久山酒造さんの工場見学をしたときのレポートはこちら。関連記事:整然とした美しさ 渡久山酒造

左は平成16年に瓶詰めされたもので、右は平成26年に瓶詰めされたもの。

 

10年という歳月をかけて泡盛が瓶の中でどんな変化を遂げているのか?同じ銘柄で飲み比べてみるのも面白そうだなと買っておいたものです(造り自体は変わっていないと仮定しての比較です)    

 

左の豊年の詰口年月日(泡盛を瓶詰めした日)は「16.12.2」

 

撮影した日は2015年(平成27年)なので16は2016年ではなく、平成16年ということです。現行のものとは違った見慣れないラベルですね。 

右の豊年の詰口日は「26.6.19」なので、平成26年に瓶詰めされた泡盛ということになります。

ちなみに左の豊年は買ってから家で10年間保管しておいたわけではありません。私そんなに意志が強くないので(笑)

 

偶然にもこの2本は同じ日に買ったのですがお店は別です。左の豊年はかれこれ10年以上も売れ残っていたことになりますね。嬉しいような悲しいような複雑な心境です。。

 

瓶は甕と比べると熟成のスピードは緩やかといわれますが、それでも10年間寝かせておけば立派な古酒になっているはず。さて結果は!


比べてみるとよく分かる!

瓶で10年間熟成させた豊年(左側)の印象は・・・

  • 角がとれて丸くなっています
  • 香りは控えめな印象で口当たりがまろやか
  • 喉を通る時にまろやかさが良くわかります

さらにわかりやすい違いは度数です。どちらも同じ30度ですが10年間熟成させた豊年は度数が低く感じます。25度と言われればそうかなと思ってしまいそう。

 

どちらの豊年を美味しいと感じるかは好みの問題ですが、とにかく古酒作りは難しく考えなくてもいいんだという手ごたえを感じました。


瓶と甕?古酒作りはどっちがいい?

 自宅で古酒作りに挑戦するなら?

  • ステンレスタンク
  • 樽 etc

このあたりでしょうか?

 

ステンレスタンクはちょっとないな~と思うかもしれませんが、沖縄で泡盛マイスターの先輩のお宅で家庭用のステンレスタンクを拝見しました。見た目は小振りなプロパンガスみたいなイメージでした。でも一般的ではないですね(笑)

 

樽は僕も10リットルのをひとつ持っています。2019年に購入して樽詰めしたばかりですが、新樽とはいえ1週間たらずでこれだけ色が付くんですよね。

 

樽のサイズが小さいと経年による変化よりも樽による影響が大き過ぎるようなので、いわゆる泡盛の熟成とは違った楽しみ方になりますね。

となると、自宅で古酒作りを始めるなら瓶か甕ということになりそうですね。

 

アルコールと水が組み合わさって味が丸くなるのは瓶熟熟成も甕貯蔵も一緒ですが、瓶熟成は甕と違って密封されているので泡盛が空気を吸えません。窒息状態なので香味成分の変化は甕貯蔵と比べると起こりにくくなるといわれています。

 

甕と比べると瓶での熟成スピードは緩やかということになりますね。一方で甕はほったらかしにしてしまうと失敗する可能性が高くなります。

泡盛が水になってる!?失敗に学ぶ古酒造りの秘訣

他人の古酒造りを間近で見る機会はなかなかありませんが、不幸にも水のようになった泡盛を目の当たりにして自分の甕を点検するきっかけをもらった僕はとてもラッキーでした。強い、きついと言われる泡盛がどうして水のようになってしまったのか?

手軽に始めることができるのはやっぱり瓶ということになりますね。

 

古酒を育てるといっても難しく考えずに泡盛を買ってただ家に置いておけばいいだけ。直射日光の当たらない場所暑くなり過ぎない場所など保管場所には少し気をつけてくださいね。

 

古酒作りには比較的アルコール度数が高い35度以上の泡盛が適しているといわれています。

古酒作りを始めてみませんか?


追記

瓶熟成の効果は、はっきりわからなかったという論文があると聞いたことがあるので現在、調査中です。

 

他のお酒、般的な焼酎は瓶の中で熟成しないのに泡盛だけが熟成するといわれると、疑問は色々と沸いてきます。

【初心者向け】泡盛とは?泡盛と焼酎は何が違うの? 

泡盛と焼酎は何が違うの?泡盛の由来は?【画像でわかる】泡盛ができるまでなど、泡盛マイスターが初心者にもわかりやすく解説します。

実際に劣化したような味わいになっていた瓶熟成の泡盛を飲んだことがあります。水とアルコールが分離してしまったような感じで舌にピリピリと刺してくるような感覚がありました。

 

その泡盛は長年、蛍光灯の光にさらされた状態だったとか。保管状態は味わいに大きく影響するようです。個人的には箱なしで店頭で売り残っていたような場合は瓶熟成の効果はあまり期待できないと思っています。

コラム|古酒ならぬ古書の秘かな楽しみ方

焼酎・泡盛ブックは2007年に発行されたものなので、ラベルが現行のものと違っているものや終売になっているものも多くてハンドブックというよりは資料として楽しめます。

焼酎・泡盛ハンドブック

ゆったり焼酎・スッキリ泡盛の会 池田書店 2007年2月

ハンドブックに載っている「豊年」のラベルは、我が家にある瓶で10年間熟成された豊年のラベルと同じでした。

ちっちゃいけどよく見るとハンドブックの方の詰口日も同じ平成16年(に見える)。「豊年」の隣の「千代泉」のラベルも見慣れないデザインです。

 

こんな風に一覧になっていると「一番高いのはどれなのか?」とついつい探してしまうのですが、みなさんはそんなことしませんか?笑

 

ちなみに泡盛の中で一番高かったのは「守禮(限定20年古酒・43度)」・神村酒造でした。瓶で20年間熟成させたものみたいです。これも瓶熟成泡盛のスーパー古酒ということになりますね。

最高額といっても2万5千円!高いといえば確かに高いのですが、ワインと比べると泡盛ってかなりリーズナブルだなと思います。